思春期から更年期までの病気の早期発見・予防・治療を行い、健康で元気な毎日を過ごせるよう、女性の一生の常に傍らに居る「かかりつけ医」として貢献できるよう努めています。
月経とは、約1ヶ月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血と定義されます。月経が始まった日を1日目と数えて、次の月経が開始する前の日までを月経周期と定義します。
月経には個人差がありますが、周期は25日~38日であれば正常です。周期が39日以上と長いときは稀発月経、24日以内と短い場合を頻発月経といいます。妊娠以外で3ヶ月以上月経のこない状態を無月経(続発姓無月経)、18歳以上になっても1度も月経の発来のないものを原発姓無月経といいます。
初経は10~14歳、閉経は43~54歳を正常範囲としています。
これらに当てはまらない場合、これらをひとまとめにして「月経不順」と呼んでいます。
月経不順や無月経の原因で多いのは、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの崩れであり、悩みや不規則な生活によって月経リズムが乱れる人もいます。30歳後半からのプレ更年期に、月経不順を訴える人も多くみられます。また、子宮や卵巣、甲状腺などの病気が原因になることもあります。このことが不妊の原因となることもあります。
基礎体温を付けられるとご自分の周期が見えてくるようになります。
問診がとても大切です。受診前にご自分の中で経過を整理されているとよいと思われます。
月経困難症は、月経の直前あるいは開始とともに症状が発現し、月経の終了前はあるいは終了とともに消失するのが一般的で、おもに下腹痛、腹痛など疼痛を主症状として現れる症候群を指します。婦人科でよく相談を受ける病気のひとつで、単なる痛みだけでなく悪心、嘔吐、下痢、頭痛などのさまざまな不快な症状を伴うことがあります。軽度の月経痛は、成熟女性の70~80%も見られます。重症例は、横になってしまわざるを得ず、ショック症状を呈し緊急で治療を必要とする場合もまれにあります。
月経困難症は、原発性(機能性)月経困難症と続発性(器質性)月経困難症のふたつに分類されます。診断は、月経歴を中心とした問診を重要にします。そのうえで超音波検査、ホルモンチェック、細胞診などを行い潜在する疾患があればその治療を、原発性のものであれば症状に合わせ漢方薬・鎮痛剤・ホルモン剤など複合的に組み合わせた治療を行っています。
避妊に関して | 現時点で妊娠を望まれない方に対して、低用量ピル・避妊薬装着避妊リングをもって対応させていただきます。使用開始前の子宮卵巣のチェック、問診票、副作用回避のための血液検査などを定期的に取り入れ、安全に避妊を行えるようサポートさせていただいております。望まれる避妊期間に合わせた方法を一緒に考えてゆきましょう。 |
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不妊に関して | 当院では基礎体温変化・経膣超音波による卵胞発育と子宮内膜の変化をもとに性交渉の時期を合わせるタイミング法をサポートさせていただいております。排卵・基礎体温変化を促すホルモン剤・漢方薬を症状に合わせ使わせていただくこともあります。 当院は不妊治療専門ではありませんので、これ以上の治療を望まれる方には、その希望をお聞きした上で適した専門医院を紹介させていただきます。 まずはご夫婦お二人がどこまでの治療を望まれるのか?お二人が同じ方向を向いて協力されることが大事と考えています。 |
子宮膣部癌・子宮頸癌 | 不正性器出血などの日常生活の異常出血の診察の際に、健康診断にて再検査を指摘された方の診察と併用して、また健康診断の一環として検査を希望される方に対して経膣超音波を併用して行っております。適応を満たされた方には、HPV(ヒト パピローマ ウィルス)のDNAリスク分類も行っております。 |
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子宮体癌(内膜癌) | 不正性器出血・過多過長月経等を訴えられる方、健康診断の一環として検査を希望される方、乳がんなどのホルモン剤を併用した化学療法を行っている方の定期検査として、経膣超音波検査を併用して子宮内膜の厚みや性状を確認して行っております。 |
卵巣腫瘍 | 月経歴・症状などを十分に問診させていただいた上、経膣・経腹超音波検査にて診断させていただきます。必要と診断される場合には血液の腫瘍マーカーの検査をさせていただきます。そのうえで良性悪性の判断をさせていただきます。 |
子宮筋腫 | 子宮にできる良性の腫瘍として代表的なものです。 発生場所・発育方向・大きさや個数・臨床症状により、早急に治療を要するものから経過観察でよいものまで対応が分かれます。経膣・経腹超音波検査を主体にして、患者様とよく話し合いながら薬物療法から手術療法までの対応を一緒に考えさせていただきたいと思います。 |
どの疾患におきましてもさらなる精密検査、治療が必要と判断される場合には、患者様の社会的背景を考慮しまして、最も適していると判断される二次病院を紹介させていただきます。
閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。
更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。
まず十分な問診をさせていただきます。更年期症状を訴えてくる方の中には、実は他の疾患の症状であることがあります。
上にも述べましたが、他の病気をすべて除いた後に残ったものが、更年期障害です。
漢方薬・ホルモン補充療法・向精神薬などを、一人一人の症状に合わせ複合的に、また時間の経過の中で変化する症状に合わせ、流動的に治療を進めてゆきます。
つらい症状やその変化をよく教えてください。
こんな症状でお悩みではありませんか?
産婦人科の感染症にはウィルス、細菌、真菌、原虫など様々な原因があります。
また性交渉で伝染することも問題の一つになります。梅毒・細菌性膣炎・子宮頸管炎・淋菌感染症・カンジタ・クラミジア・トリコモナス膣炎・外陰部ヘルペス・尖圭コンジローマ・HIVなどなど多岐にわたります。
早期発見早期治療が大事です。おかしいな?と思ったら一度受診されて下さい。